ロ「あっ、おっかえり〜…ってアレ?血塗れじゃん」

「傷は小さめにじゃなかったの〜?」となんだか楽しそうに聞くロス。


…部屋に戻るなりうるせぇんだよ、このボケ悪魔。


ク「うるせぇなぁ…。小さくしたよ。つーか、これは輝太の血じゃねぇし」


ロ「はぁ?じゃあ、誰のだよ」


ロスの言葉に一瞬口をつぐんだが、すぐに答える。


ク「…俺の血」


ロ「はっ?お前の?ガキ相手に怪我したって事か?」


ク「あぁ、後で刹那に説明する時に詳しく話すが…。輝太…死神に取り付かれてやがった」


ロ「はっ?輝太からは人間の気配しかしなかったんだけど?」


俺の言葉にますます意味が分からなそうな顔をするロス。


面倒くせぇな……。


俺はコートを脱いだ。


下に着ていた黒のTシャツが、所々裂けている。


まぁ、切られた部分だが…。


あぁ、また新しいコートを用意しないとな…。


ク「人間に生まれるタイプの死神なんだとよ」


ロ「そーいや、死神にはタイプがあったな」


ク「それで俺やお前にバレねぇように魔力とか気配消してたんだよ」


「これでな」と俺はあのブレスレットをロスに投げた。


ロ「なるほどな。へぇ…、確かにコレじゃあ分からねぇな。よく出来てるわ」


ク「こないだ襲ってきたヤナって奴の組織の死神だった。
どうやら奴等…俺とお前を殺さずに連れていきてぇみたいだぜ」


ロ「あぁ、こないだのか。んー…なんで狙ってるんだろうなー」


ク「知るか。つーか…今回は俺だったしな。
なんか、奴等の言動的に…俺みたいな冷酷な奴とか、お前みたいに人間じゃない奴が必要なんだろ?
現に襲ってくんのは人間じゃないしな」


ロ「ふーん…」


ク「とにかく、詳しい話は後でだ。シャワー浴びてくる」


ロ「はいはいっと…。あっ、そーだ。死神から受けた傷は治りにくいから、あんま石鹸つけない様にな〜」


ロスはそう言って手を振った。


ク「分かってる。ガキじゃねぇんだから」


俺が悪態をつくとロスは肩をすくめた。


バタンッ


俺はシャワー室に入った。