Devil†Story

輝「それで……僕は…あん…な風に…なっちゃ…たんだ……」


俺はずっと黙ったまま輝太の話を聞いていた。


…ほら、見ろよ。


人間なんて……屑じゃないか…。


自分の事しか考えていない…。


輝「僕…は…ただ…。お母…さんに…好きって…愛し…てるよって…昔みたいに…言って貰えたら…それだけで…良かったんだ…。
でも…駄目だったなぁ……。
僕は…悪い子だったのかな……?」


ク「!」


俺は少しだけ瞳を大きくさせる。


―オレ…なんか悪い事したのかな……。だから…誰も愛してくれなかったのかな…―


昔の記憶。


それと完全に重なる。



輝「だから…ヒック…愛して……ヒック…もらえなかったのかな……?」


輝太は涙を流した。


透明な雫が頬を伝って地面に消えていった。


ギュウ…


ク「!」


輝太は俺の腕を掴んだ。


その手は震えている。


輝「でも……良か…ったぁ…」


輝太は涙を一杯溜めた目で俺を見ながら笑った。