―2ヶ月後―
すっかり桜は散り、薄ピンクだった景色から葉の緑色の景色に変わった。
麗「あー…あっちぃなぁ…」
麗弥はカフェの自室がある方の棟の窓から半分身を乗り出して呟いた。
パタパタと手で風を扇ぐ。
季節は6月。
若葉とじめっとした湿気のある暑さで初夏の訪れが感じられる季節となった。
稀「本当最近暑いねー。そろそろ衣替えしないとっ」
傍らに居た稀琉が外を覗きながら言った。
その顔には微笑みがあった。あの事件から少し表情が暗かったが今は立ち直って前と同じ稀琉に戻っていた。
(ほんま良かったわ…)
麗弥は密かにそう思った。
ザァァ……
風が吹いた。
それと同時に機嫌の悪そうな声が聞こえてきた。
ク「こんな所に居やがったか」
その声に後ろを振り向くとクロムが気だるそうに立っていた。
稀「あっ、クロム。どうかした?」
ク「刹那が話があるからこいだとよ」
「ったく…なんで俺が伝言係りしなきゃなんねぇんだよ」と悪態をつくクロム。
稀「オレに?」
ク「麗弥もだと」
麗「へっ?俺もなん?」
麗弥の問いにクロムは「俺が知るかッ」と言った。
(あら〜即答…。ほんま相変わらずやなぁ…)
麗「まぁ、分かったわ」
ク「確かに伝えたからな」
そう言って立ち去るクロム。
その背中に稀琉は「ありがとねー、クロム」と言う。あんまり反応がないとしても挨拶はきちんとせなアカンと麗弥も「おーきにー!」と続けて言った。クロムは軽く片手を上げて自室に帰って行った。
麗「相変わらず素っ気な〜」
稀「それがクロムだし、仕方ないよ」
麗「まぁ、確かに。それにしても…俺と稀琉に用って…なんの用やろ?」
稀「なんだろうね。とりあえず行ってみよっか?」
麗「せやな」
こうして稀琉と麗弥は歩き出した。
【第5夜 Reiya】
すっかり桜は散り、薄ピンクだった景色から葉の緑色の景色に変わった。
麗「あー…あっちぃなぁ…」
麗弥はカフェの自室がある方の棟の窓から半分身を乗り出して呟いた。
パタパタと手で風を扇ぐ。
季節は6月。
若葉とじめっとした湿気のある暑さで初夏の訪れが感じられる季節となった。
稀「本当最近暑いねー。そろそろ衣替えしないとっ」
傍らに居た稀琉が外を覗きながら言った。
その顔には微笑みがあった。あの事件から少し表情が暗かったが今は立ち直って前と同じ稀琉に戻っていた。
(ほんま良かったわ…)
麗弥は密かにそう思った。
ザァァ……
風が吹いた。
それと同時に機嫌の悪そうな声が聞こえてきた。
ク「こんな所に居やがったか」
その声に後ろを振り向くとクロムが気だるそうに立っていた。
稀「あっ、クロム。どうかした?」
ク「刹那が話があるからこいだとよ」
「ったく…なんで俺が伝言係りしなきゃなんねぇんだよ」と悪態をつくクロム。
稀「オレに?」
ク「麗弥もだと」
麗「へっ?俺もなん?」
麗弥の問いにクロムは「俺が知るかッ」と言った。
(あら〜即答…。ほんま相変わらずやなぁ…)
麗「まぁ、分かったわ」
ク「確かに伝えたからな」
そう言って立ち去るクロム。
その背中に稀琉は「ありがとねー、クロム」と言う。あんまり反応がないとしても挨拶はきちんとせなアカンと麗弥も「おーきにー!」と続けて言った。クロムは軽く片手を上げて自室に帰って行った。
麗「相変わらず素っ気な〜」
稀「それがクロムだし、仕方ないよ」
麗「まぁ、確かに。それにしても…俺と稀琉に用って…なんの用やろ?」
稀「なんだろうね。とりあえず行ってみよっか?」
麗「せやな」
こうして稀琉と麗弥は歩き出した。
【第5夜 Reiya】