Devil†Story

母「えぇ…。明日手続きしてくるわ」


お母さんの声。


どうやら電話しているみたいだ。


手続き?


なんのだろ…。


すると、お母さんの声が大きくなる。


母「だって…!あの人が嫌だって言うんだもの!仕方ないじゃない!」


それの声は今にも泣きそうな声。


そして、次の言葉は僕にとって……1番聞きたくなかった言葉だった。


母「だから、あの子に…輝太には…居なくなって貰うしかないの…」


輝「えっ……?」


僕は唖然とした。


居なく…なって貰う……?

母「通り魔に襲われた事にしろって…!
あの子、最近公園に行ってる事が多いし…なんか黒い格好をした人と頻繁に会ってるみたいだから…。
私達が疑われる可能性は薄いからって……」


通り魔…って事は…死ぬ…の…?


それに黒い格好……って…クロム…お兄ちゃん……?

クロムお兄ちゃんのせいに…するって事?


母「もう…疲れたの……。すべて終わりにしたいの……」


輝「…………」


僕はゆっくり自分の部屋に戻った。


どうして…?


どうしてなの……?


僕、邪魔だった……?


居ない方が…良かった……?


お母さんの所に…生まれなかった方が良かったの……?


僕の事…キライ……?


ねぇ、お母さん……。


輝「ウッ……ヒック……」


真っ暗な部屋の中で輝太は泣いた。


やっぱりお母さんにとって要らない子だったんだ……。


僕なんて……


輝「生まれて…こなきゃ良かったんだ……」


キィン――――


その時だった。


キシが完全に目覚めたのは。