Devil†Story

―昨夜 輝太SIDE―


輝「あー……切れちゃってるなぁ……」


僕は鏡の前で呟いた。


その体には新しい痣。


また暴力を振るわれたのだ。


輝「いたた……」


そして、腕から血が流れている。


さっき叩かれた時に手…ガラスにぶつけちゃったからなぁ…。

とりあえず水をかけておかないと……。


ｼﾞｬｰ


輝「いたっ……」


水をかけると冷たく…痛みが増した。


あーあ…どうやったらバレないかなぁ、コレ。


絆創膏で隠れそうにないしなぁ……。


この間はクロムお兄ちゃんにバレちゃったからなぁ…。


輝「……ふぅ」


なんでクロムお兄ちゃん分かったんだろ。


今までバレた事なかったのに……。


クロムお兄ちゃんは優しいからかな？


でも、稀琉お兄ちゃんも凄く心配してくれてしなぁ…もしかしたら、稀琉お兄ちゃんはずっと気付いてたかも。


本当は……隠し事は…よくないけど…。


でも…言ったらお母さんに嫌われちゃうから……。


その時だった。


母「本当よ」


輝「？」


奥のお母さんとお父さんの部屋から声がした。


なんだろ？


お父さんは外に行ったと思うんだけど……。


僕はバレない様にこっそり戸に耳を当てた。