Devil†Story

違う……。


違うよ、刹那……。


クロムの……心がないなんて……誤解だよ。


ちゃんと、あるよ……。


俺、知ってるもん。


クロムが……優しい事。


そう思うが中々口に出せない。


さっきのクロムの反応に…心があったとは言えなかったから…。


否定したいのにできない。

すると麗弥が口を開いた。

麗「そんな事あらへん。大体、そんなん、クロムに対して失礼やんか」


稀「そっ、そうだよ。違うよ、刹那。そんな事ないよ。クロムに心がないなんて…そんなの違うよ」


麗弥のお陰でやっと言えたが刹那は「4人の中でって事だよ。特に仕事の時はね。全くないとは言ってないよ」と言った。


麗「せやけど……」


刹「まぁ、本人に聞いてみたらいいんじゃない?彼は正直だからね」


稀「クロムなら……優しくねぇって言うに決まってるよ」


刹「じゃあ、そうなんじゃない?…まぁ、あの子をあんな風にしちゃったのは俺だけどね…」


稀「えっ?」


俺は聞き返したが、刹那は答えなかった。


ただ、いつもより悲しい笑顔をしているだけ。


そのまま、外を見た。


刹「…今日は満月だね」


刹那の言葉に俺と麗弥も外を見る。


皮肉な程、綺麗な満月だ。

外は風が吹いているのか、桜の花びらが舞っている。

刹「……花の様に儚いのが…命なのかもね…」


ボソリと刹那が呟く。


本当にそうだ。


輝太の命の花も……もうすぐ散る。


死という風によって………。


刹「……この満月なら…殺しやすいだろうしね」


刹那はそう言った。


輝太……。


元気に手を振って、俺の名前を呼ぶ輝太が頭に浮かぶ。


もう…二度と元気な輝太を見る事はない。


どうか…どうか少しでも痛くありませんように。


クロムの姿を見て絶望しませんように。


俺は大嫌いな神様に…そう祈る事しかできなかった。