ーーそして、今の状況になっている。
…クソ。なんで俺がこんな事しなきゃなんねえんだよ。さっさと元の生活に戻りたいってのに、こんなままごとみてえな事させられるとかマジで疲れる。しかもあの日以来、ロスの小言が増えて部屋に戻ってもうるせえってのに…。
ここ数日、クロムが部屋に戻ると疲れ果てているロスが小言を言う事がかなり多かった。前まではそこまで言わなかった事も、まるで一昔前の姑のように指摘するようになっていた。
「ちょい待ち!ベッド行く前にコートかけろ!」
「昼寝する前にシャワー浴びろ!寝んなら自分で起きろ!」
「疲れた言うな!俺の方が疲れてんだよ!」
「出来る仕事はしろよ!俺なんて今日老人の相手したんだぞ!なんで俺がじじいの同じ話何度も聞かなきゃなんねえんだよ!」
「こんな綺麗な部屋を掃除してんじゃねえよ!すんなら俺が散歩行ってる時にしろ!!」
「小虫でギャーギャー騒ぐな!!」
「携帯の電源切り忘れてんじゃねぇよ…!今すぐ切れ!もしくは壊せ!!」
「少しは俺を労われ!!!!」
等…上げたらキリがない。クロムの行動全てと言っても過言でもない程の小言を言われていた。その度に返しているが、面倒になり段々と無視するようになる。そうすると今度は「聞いてんのか!?返事をしろ!返事を!!」と大声で近付いて来て更に小言が増えるという負のループに陥っていた。
何度殴り合いの喧嘩に発展したか分からない。殺気を出すまでの喧嘩ではないが部屋は壊れ初め、刹那にまで小言を言われていた。おまけに大体がロスに力で捩じ伏せられ、羽交締めにされ耳元で小言を言われ続けたり、技を決められている状態であった。過度な身体接触、小言、平穏な日々が続くという非日常…段々とクロムも疲弊してきていた。
…チッ。思い出すだけでも腹が立つ。あのゴリラ(ロス)…。今日も言ってきやがったら、コートかけるフリして脛に蹴り入れてやる…。どいつもこいつもうるせえってんだよ。大体俺よりも稀琉だろ。こいつが「オレが責任持って看病するよ!」とか訳わかんねえ事を言って、こんな所に俺を連れ出さなきゃいいんだろうが。
ここ最近の出来事を思い出し、貧乏ゆすりをし始める。
「…クロム?聞いてる?」
不意に稀琉に声を掛けられて現実世界に引き戻された。呑気な稀琉の顔を見ていたら余計にイライラしてきた。覗き込んでいる稀琉の頭をグーで殴りつける。
「いった!いきなり何すんの!?」
「うるせえ…黙ってやってろ…!」
「ええー…なんでオレ殴られたの?」
そう思う稀琉だったが、クロムの貧乏ゆすりが激しくなっているのを見て何かを察した。
「…なんかよく分からないけどごめんね?それにしても…今日は輝太遅いね」
目の前でけん玉を練習しながら呑気に話す稀琉を軽く睨みつけてから時計を見る。
今は15時30分を過ぎていた。確かにここ最近は15時には輝太は公園に来ていたが、小学生も色々あるのだろう。それに輝太は少し勉強が遅れているようだった。1度宿題を見たことがあったが、小学2年生にも関わらず、繰り上がりの足し算が出来ない事が多かった。
15+27=という問題では十の位と一の位の区別がつかずに312と書いたりしていた。あまりにも理解できなかったので、稀琉が硬貨を持ってきて教えていた。ようやく最近、そこは理解し始めたようだが、今までどうやって宿題をしていたのか疑問に思う程、出来なかった。
必死に宿題を終わらせる事しか考えていないようだったので「…宿題は分かんねえところを教師が把握するもんだ。分かんねえところはそのままにして出来るところだけしろ。後は教師に教えてもらえ」と言ったので、それで居残りをさせられている可能性はある。
「…あいつ勉強出来てなかっただろ。だから居残りでもさせられてんじゃねえの?」
「そうなのかなー…」
「その内来るだろ。大体あいつもお前の相手ばっかしてられるかよ」
「そうなのかもしれないけど…心配になっちゃってーーあっ!出来た!見て!」
会話をしながら先程、俺がアドバイスした技が出来てドヤ顔をしてくる。
…ウザ。こっち見てくんな。つーか最近こいつ俺に馴れ馴れしいんじゃねえのか。仲良くなった気でいんのか?勘違いしてんじゃねえぞ。少しけん玉教えてやっただけだろうが。…そもそもそれだって無理矢理だろ。あークソ…こんな生活さっさと終わってくれ…。俺はこんな事してる場合じゃねえんだっての。
あまりにも平凡な日々に嫌気がさしていた所だった。
「あっ!輝太来たね!」
稀琉の声に前を向くと輝太が階段を登ってやって来た。
ほら見ろ。少し待ってられねえのかこいつは……。
そう思ったクロムだが輝太の姿を見たクロムの表情が少し変わった。
…クソ。なんで俺がこんな事しなきゃなんねえんだよ。さっさと元の生活に戻りたいってのに、こんなままごとみてえな事させられるとかマジで疲れる。しかもあの日以来、ロスの小言が増えて部屋に戻ってもうるせえってのに…。
ここ数日、クロムが部屋に戻ると疲れ果てているロスが小言を言う事がかなり多かった。前まではそこまで言わなかった事も、まるで一昔前の姑のように指摘するようになっていた。
「ちょい待ち!ベッド行く前にコートかけろ!」
「昼寝する前にシャワー浴びろ!寝んなら自分で起きろ!」
「疲れた言うな!俺の方が疲れてんだよ!」
「出来る仕事はしろよ!俺なんて今日老人の相手したんだぞ!なんで俺がじじいの同じ話何度も聞かなきゃなんねえんだよ!」
「こんな綺麗な部屋を掃除してんじゃねえよ!すんなら俺が散歩行ってる時にしろ!!」
「小虫でギャーギャー騒ぐな!!」
「携帯の電源切り忘れてんじゃねぇよ…!今すぐ切れ!もしくは壊せ!!」
「少しは俺を労われ!!!!」
等…上げたらキリがない。クロムの行動全てと言っても過言でもない程の小言を言われていた。その度に返しているが、面倒になり段々と無視するようになる。そうすると今度は「聞いてんのか!?返事をしろ!返事を!!」と大声で近付いて来て更に小言が増えるという負のループに陥っていた。
何度殴り合いの喧嘩に発展したか分からない。殺気を出すまでの喧嘩ではないが部屋は壊れ初め、刹那にまで小言を言われていた。おまけに大体がロスに力で捩じ伏せられ、羽交締めにされ耳元で小言を言われ続けたり、技を決められている状態であった。過度な身体接触、小言、平穏な日々が続くという非日常…段々とクロムも疲弊してきていた。
…チッ。思い出すだけでも腹が立つ。あのゴリラ(ロス)…。今日も言ってきやがったら、コートかけるフリして脛に蹴り入れてやる…。どいつもこいつもうるせえってんだよ。大体俺よりも稀琉だろ。こいつが「オレが責任持って看病するよ!」とか訳わかんねえ事を言って、こんな所に俺を連れ出さなきゃいいんだろうが。
ここ最近の出来事を思い出し、貧乏ゆすりをし始める。
「…クロム?聞いてる?」
不意に稀琉に声を掛けられて現実世界に引き戻された。呑気な稀琉の顔を見ていたら余計にイライラしてきた。覗き込んでいる稀琉の頭をグーで殴りつける。
「いった!いきなり何すんの!?」
「うるせえ…黙ってやってろ…!」
「ええー…なんでオレ殴られたの?」
そう思う稀琉だったが、クロムの貧乏ゆすりが激しくなっているのを見て何かを察した。
「…なんかよく分からないけどごめんね?それにしても…今日は輝太遅いね」
目の前でけん玉を練習しながら呑気に話す稀琉を軽く睨みつけてから時計を見る。
今は15時30分を過ぎていた。確かにここ最近は15時には輝太は公園に来ていたが、小学生も色々あるのだろう。それに輝太は少し勉強が遅れているようだった。1度宿題を見たことがあったが、小学2年生にも関わらず、繰り上がりの足し算が出来ない事が多かった。
15+27=という問題では十の位と一の位の区別がつかずに312と書いたりしていた。あまりにも理解できなかったので、稀琉が硬貨を持ってきて教えていた。ようやく最近、そこは理解し始めたようだが、今までどうやって宿題をしていたのか疑問に思う程、出来なかった。
必死に宿題を終わらせる事しか考えていないようだったので「…宿題は分かんねえところを教師が把握するもんだ。分かんねえところはそのままにして出来るところだけしろ。後は教師に教えてもらえ」と言ったので、それで居残りをさせられている可能性はある。
「…あいつ勉強出来てなかっただろ。だから居残りでもさせられてんじゃねえの?」
「そうなのかなー…」
「その内来るだろ。大体あいつもお前の相手ばっかしてられるかよ」
「そうなのかもしれないけど…心配になっちゃってーーあっ!出来た!見て!」
会話をしながら先程、俺がアドバイスした技が出来てドヤ顔をしてくる。
…ウザ。こっち見てくんな。つーか最近こいつ俺に馴れ馴れしいんじゃねえのか。仲良くなった気でいんのか?勘違いしてんじゃねえぞ。少しけん玉教えてやっただけだろうが。…そもそもそれだって無理矢理だろ。あークソ…こんな生活さっさと終わってくれ…。俺はこんな事してる場合じゃねえんだっての。
あまりにも平凡な日々に嫌気がさしていた所だった。
「あっ!輝太来たね!」
稀琉の声に前を向くと輝太が階段を登ってやって来た。
ほら見ろ。少し待ってられねえのかこいつは……。
そう思ったクロムだが輝太の姿を見たクロムの表情が少し変わった。

