「てめぇはいくつだ?あぁ?」


「……ごめん」


ベンチに足を組み地面に稀琉を正座させたクロムは稀琉に説教をしていた。流石に輝太にはさせておらず、クロムの隣で小さくなって座っている輝太はオロオロしていた。


「……"ごめん"だ?てめぇは謝り方も知らねぇのか」


「…ごめんなさい」


「…なめてんのか?申し訳ございーー「この度は大変申し訳ございません」


「あ、あの…!」


「お前は黙ってろ」


あまりにも稀琉を不憫に思った輝太が間に入ろうとするもクロムにピシャリと言われて黙ってしまう。


「…人の話は遮りません、きちんと最後まで聞きましょう…っててめぇは誰かから教わらなかったのか?」


「…すみません」


「…輝太は?」


「…学校で習いました」


「そうだよな?輝太はともかくてめぇはそんな事も出来ねぇのか?」


「…出来ます。すみませんでした…」


「…猿でも反省くらい出来んだよ。何がどう悪かったのか言ってみろ」


「…クロムが怪我してるのに考えずにくっつきました…」


「後は?」


「…年甲斐もなく幼い行動をとった事です……」


「そうだよな?てめぇの頭には綿でも詰まってんのか?考えたら分かるだろうが」


「すみません…普段出来ないと思い…調子にのりました…」


「今後は?」


「今後は…よく考えて行動します……」


「………二度と同じ事すんなよ」


「はい……」


「バカが」


クロムが立ち上がった事で、ようやく終わった説教に稀琉、輝太はホッと胸を撫で下ろす。


「……輝太」


「はい!」


稀琉の時よりは威圧感はなかったが、低い声に輝太は声が裏返りながら返事をする。


「お前は他者との距離感を学べ。誰彼構わずパーソナルエリアを無視して入ってくんな。こないだ言っただろうが」


「ごめんなさい…」


「今後気をつけろよ」


「はい…」


「分かったなら…帰る準備をしろ。もう17時になるだろ」


「え!?」


自分と比べると短い説教に稀琉が大声を上げる。


「…なんだ?まだ足りねぇのか?」


「や、やだよ!クロム怖いもん!でもなんかオレにしたお説教より短くない!?」


「…あ?てめぇは…さっき俺が言ったことを1つも理解してねぇようだな?」


「してるけど…でもなんでかなー?って思って……」


冷たく睨みつけているクロムに負け「えへへ」と誤魔化すように稀琉は笑った。