天使と吸血鬼

私は起きると、
先生の腕の中だった。

ソファーで横になった状態で、
先生に抱きしめられていた。
先生の顔を見ると、
先生も気持ちよさそうに、
寝ているのを見て、
可愛く感じた。

「寝顔が弟のジョーに、
何だか似ている。

お母さんが早くに亡くなって、
弟のジョーを寝かし付けるのが、
私の役目になっていた。

毎日ジョーの寝顔を見て
いたせいかも知れないが、
先生とジョーが似ている?」

私は先生の胸に、
顔を埋めて心の中で叫んだ。

「天使じゃありません。
どうか人間で会ってほしい。

もし。先生が天使だったら、
貴方に殺されても、
私は悔いは無いでしょう。
そして私は、貴方の血を
吸う事は無いでしょう。」

私が心の中で感じている、
一番の言葉だと思う。