「六花、どこ行くの!?」 玄関で靴をはいていると、ママが慌ててリビングから出てきた。 「ちょっと、学校行ってくる。……忘れ物、しちゃって。」 嘘が少し心苦しかった。 「それなら、明日でいいじゃない。危ないわよ。」 心配はかけたくない。 ママの言ってることは正しい。 でも……… 「明日じゃダメなの!今、行かなきゃ…っ!」 ドアを乱暴に閉めると同時に言い捨てた。 そう、今しかないから。