両親は? 単純に実家が離れているだけなら聞けたのに。 聞けなかったのは。 「でもさ、星羅くんはだらしないけど、俺のこと一番分かってくれてる人だよ」 哀しそうに笑う君が、どうしようもなく愛しかったから。 テーブルの上の紅茶が、揺れた。 カップが小さくカチン、と鳴った。 「…りっか?」 気付いたら藍を抱きしめていた。