「とりあえず!」 パン!と固まったままだったあたしの目の前で手を叩く。 その小気味よい音であたしもようやく我に返った。 「何があったかは知らないけど、六花ちゃんが謝れば済むんでしょ」 人をなんだと思っているんだ。 あたしが悪いの前提か。 「くよくよしたってしょうがないでしょ。どうせ気まずいなら殴り合って気まずいほうがすっきりしない?」 いや、殴り合うことはないと思うけど。 この数年で、彼女は確実に逞しくなっているようだった。