車で塾から家まで5分。



家に入る前に、あたしはお母さんにお風呂を沸かしてほしい、と頼んだ。



『ふう‥。』



階段を上がり、部屋のドアを静かに開ける。



部屋中には、お気に入りの香水の匂いがする。




疲れた体をベッドに預けて、あたしは目を閉じた。




それから小さく深呼吸をした。