春を呼ぼう


ジュンには妹などいないし、そもそも何故日本語なのか。


「知らね…人違いだろ」

興味なさげに呟くと、チェルシーはムキになったように、それでいて何故か楽しそうに言い返した。


「ぜっったいおにいちゃんだ!!」

「…分かった、分かったから、とりあえずそれやめろ。俺の名前はジュンだ」

「え!おにいちゃんじゃないの?!」


一瞬何を言ってるんだとジュンは思ったが、彼女の勘違いを理解すると、はぁぁぁ、と何度目かの盛大な溜め息をついた。


「言っておくが、それは名前じゃない。」

「へっ…名前じゃないの??あれ…あたしてっきり…」

「とにかく、俺はジュンだ。それはやめろ」

そう言いながらギシッ…と音を立てて西の部屋のドアを開く。