店は更に薄暗い。

奥には60過ぎ位の初老の爺さんが座っていて、藤井をチラリと見た。

汚い身なりの藤井に、店主はあからさまに面倒そうな顔を向けた。

「幾ら?幾ら持ってんの?こっちもボランティアとは違うでさーね」

面倒そうな店主は、藤井を見下ろす様に声を掛ける。

「二万…です」

藤井は、小さく答えた。