私がぼそぼそ呟いていると、

「痴漢、好きか?」

と八城が振り向いて
聞いてくる。


「嫌」

「なら、こっちだ」

ワンピースを会計に
持って行く八城を見て
私はまた、
『好き』が増えた気がした。



【消しゴムの恋】

『不器用なデート』