あたしは、ポカンとしたまま僚を見つめた。この場合、どう反応したらいいかに困る。どうして、この人のこの横柄な態度は数ミリも変わらないんだろう。 「…ぶは」 で、笑ったのは京ちゃん。 「正直だねー。本当」 猫目の京ちゃんの真っ黒な瞳があたしを通り越して僚を見つめる。ふわり、とまた首を傾げると、京ちゃんはあたしに背を向けた。 そのままスタスタと、出て行く調子の背中。 え、何、それ。 「え?京ちゃん?」 意味分からない。