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「僚」


自分で落とした声に少し動揺した。


あの日から、少し髪が伸びたかもしれない。だけどその雰囲気は少しも変わらなくて、こうして見つめ合えば、時間が遡ったみたいな錯覚に陥りそうになる。


二年、二年も経つのに。


時間なんて曖昧だ。それとも忘れてしまうにはもっと長い時間が必要なのか。



「…髪切ったのか」




低い声、泣きそうになる。



あの頃、肩よりも長かった髪は今はボブよりも短めのショート。化粧の仕方だって、きっと違う。


「もう未成年になんて間違えたりしないでしょ」


あたしは、無意識にグラスを揺らした。