薄暗い部屋に流れた沈黙は刺すように痛くて、それが後悔なのか、それとも言い表せない感情なのかあたしは分からないまま口を結ぶ。帰らなくちゃな、そんな事冷静に思えるだけ、混乱なんてしてないのかもしれない。



「…俺の友人に面白い奴がいる」



口を開いたのは、彼。



「…?」


「仕事は出来るが変わった奴だ。」



何を言い出すのか分からなくてあたしは彼のブラウンの瞳を見つめた。



「そいつが言うには、偶然は一度だけ、らしい。」



フと笑う彼の表情が柔らかくて、あたしは目を奪われたまま




「後は全て必然だそうだ。」


「つまり」


「君に出会ったのは偶然で、もう一度見つけたのは必然。この場所に君がいるのは運命、だな」




当たり前の様な口調。





「惹かれたのは、事実だ。」





何も、壁のない、澄んだ笑顔に、





「…そんなのこじつけです」



あたしはそんなチープなセリフを言う事が精一杯だった。