あたしは呆気に取られたまま真横のその人を見上げ続ける。 「なんだ?」 「あたし、若くみえたのは光栄ですが、もう22です。保護者は必要ないです。」 言ってやった! その人は特に表情を変えないまま黙った後、 「…そうか。いや、言い方が悪かったな。すまない。女性の一人歩きは危険だと言っている」 単調に返す言葉。なんなんだ。 「…はぁ」 毒気を抜かれた気分になるのは仕方ない。 「怒らせてしまったなら、謝る」 真摯な口調に思わず笑いそうになってしまう。やだ、このひと、面白い。