一瞬。 ほんの一瞬視線が絡んだだけ。 だけど、間違いようもなくそれは真っ直ぐに神経を捕らえて、馬鹿みたいに立ち尽くしてしまう程、あたしの意識を簡単に掴んでしまう。 うわ、ありえない、 何故だか、体に妙な緊張が走って、それと同時にそんな自分が恥ずかしい。 あたしはすぐに視線を逸らして、高鳴った鼓動を落ち着かせるように足早にその場所を離れた。