毅然と並ぶショップのショーウィンドゥを覗きながら、何となく歩く午後。


中心街から外れたあたしの住む街は、寂れた商店街もあったりして、だけどそれが何だか懐かしい雰囲気を出してたりする。





何となく――…




―――本当に何となく足を止めたのは、


真ん中の古びた時計台の前に立つ男の人が不似合いな程、目を引く綺麗な容姿をしていたから。



流す様に撫でられた黒い髪。スラリとした体型は足が長くて濃紺のスーツがよく似合う。遠目でもよく分かる綺麗な顔立ち。



その涼し気で少し神経質そうな造られた様な瞳と目が合って、ようやくあたしは見とれていた事に気付いた。