反省?なにに?

言葉にでなかった疑問、京ちゃんがすぐに答える。


「馬鹿聖に甘えたこと」

「なにそれ」


フッと強張っていた力が抜けた。


「後悔してる?」


ただそれが聞きたくてあたしは掠れた声でその目を見つめる。


「どこから?」


京ちゃんの返事は予想外であたしは首を捻った。


「そんな残念な顔しないでくれる?後悔でしょ?それってどこから?聖と出会った事?聖を抱いた事?聖と恋愛ごっこした事?じゃなくて麻由に関する事?それとも今ここにいる事?」


茶化したように矢継ぎ早に京ちゃんは声を出して、悪戯に鼻を鳴らす。


「なにそれ、もしかしてそれ全部なの?」


京ちゃんの口から出たってことは、どんなにふざけていても、それが事実なのかな、とか。


「聖はかしこいね~」


京ちゃんはぽふぽふとあたしの頭を撫でた。