「……ふ」


耳を疑ったのは、僚の気の抜けた声がしたから。

「…?」

「そんなに素直になるな。さっきまでの威勢はどこにいったんだ?」

また笑う僚、あたしは俯いて何となく押し黙った。

「聖、俺は責めてる訳じゃない。君のそんな所も愛しい。大体、聖が迷うように仕向けたのは俺だ。」



規則的な口調なのに、感情を見せないように僚は声を抜いた。


「君の感情は丸きり無視していたな」


僚の言葉に取り乱した自分の様子を思い出して、なんだか泣きたくなる。そうじゃない、そうじゃないのに。

僚はいつだって真っ直ぐに言葉をくれたのに。なんであたしは、あんな酷い言葉しか言えないんだろ、ごめんと言いたいのに声が出なくて掠れた空気が漏れた。