店からどれだけ歩いたか、どれだけ時間が経ったのか曖昧なまま、とりあえず考え事をしたくなくて歌を口ずさみながらスキップして歩く。ていうか今更だけど、やっぱりこんな漫画みたいに裸足で歩くのは流石に痛い。コンビニでスリッパでも買おう。

靴ずれしたかかと、足の裏が痛い。麻痺した足がフラリとよろけて、


「っ痛、った!」


あっ、と思った瞬間には躓いていた。


ジンジンとする膝の土を払って、立ち上がれない痛みに結構な擦り傷をしたみたいだと気付く。


ああ、もう、何から何まで。


鼻の奥がツンとして無性に泣きたくなった。だけどあたしはそれを堪えて唇を噛む。



そんなどうしょうもない雰囲気。


なのに、


プップと焦るようにクラクションが鳴って、チカチカするライトがあたしの背中を照らして、眩しくてあたしは泣く事も忘れてその光に目を細めた。