京ちゃんは、

あたし、というストッパーで自己を保とうとしたんじゃないかな、と思う。
捩曲がっていて、なのに不器用な位真っ直ぐな愛は初めから何も変わらなかった


形を変えたあたしと京ちゃんの恋愛は『恋人同士』と呼べる程、長くも甘くもなかったけれど、確かに在ったんだ。体で分かり合った期間とは違う。心に触れた時。

衝動で行動してしまう程激しくはない。だけど、全て包みこんでしまいたくなる位穏やかだった。

あたしに向けられるどこか欠けた愛しい眼差しよりも、どこかからかうように細める瞳の方があたしには大事だったり、なんて。

まるでイタチごっこみたいな関係。

言葉で捕まえれば、態度で逃げて、感情で応えれば、またそれに捕まる。