天気は快晴で、ご機嫌な鼻歌がキッチンから聞こえる。それと一緒に、チーズとケチャップのいい匂い。 「一穂の作る朝ピザパン好き」 あたしは、テーブルに朝食を並べる恋人に抱きついた。 「はいはい。顔洗って?」 一穂はフと笑うと、あたしの頭をコツンと叩く。 「はーい」 あたしのマンションのキッチンにまるで馴染む後ろ姿につい笑ってしまう。一穂は料理上手で、こうして朝の弱いあたしをいつも笑顔で迎えてくれる。