あたしが取り出したタバコに京ちゃんが火をつける。マスターは「更にエロい」とか言ってる。後でこのカクテルに難癖つけとこう。
スゥと白い煙を吸って、フゥと吐き出す。京ちゃんは、自分のタバコにもそのまま火をつけて、気怠そうに首を掻いた。
「…そ~いえば、もう抱いて良いわけ?」
面倒くさそうな口調なのに、何その有り得ない色気。というか、どんな会話だ。
「抱きたい?」
「禁欲生活強いられてるからね?」
「遊ぶ相手は沢山いるんじゃなかったっけ?」
「ひじり以外にはいまのとこ興味ないよ」
何でもない事のように、ククっと笑った京ちゃんの猫目が照明に色を変える。上がった口元の割に真っ直ぐな目線に怯みそうだ。この変態め。

