あたしは木元さんを見上げながら口元だけ上げて笑ってみせた。 「吉沢は目に表情が出るな」 「え」 「分かりやすい」 「そですか」 「それが短所だが、悪くない。」 木元さんはあたしの頭をワシワシと撫でてフと笑った。んぅ、お父さん、と呼びたい。 「吉沢」 「なんでしょう、親分」 「…おや?」 「いや、間違えました。あはは」 木元さんが眉を寄せて睨みをきかせた。おおう、死んだふりをしなければ。