くっきりとした瞳のラインが意地悪に細まる。やっぱり京ちゃん独特の雰囲気が微かに香るトワレと共にあたしを纏う。

「本当、調子狂う。上がって?」

京ちゃんは面倒くさそうにクイと首を振った。あたしは構わず促されるまま「お邪魔します」と靴を脱いだ。すると、何故か苦笑する京ちゃん。

「なに?」

「いや、誰かいるとは思わないわけ?」

「“ラブシーン”中の?京ちゃんが上がってって言ったんでしょ。責任持って処理してよ。ドロドロのグダグダになりなくなかったら」

「聖って本当、鬼畜~」

どうぞどうぞ何とでも言って。

だって、

通されたキッチンと一体型のリビングにも、隣にある寝室にも、勿論人の気配なんてしない。京ちゃんの適当な嘘なんて通じないし。