適わない。いつまで経っても。胸が熱い。行き場がないあやふやな感情で誰かを惑わすなら、麻由に対して何かを言える訳がない。

僚はこんなあたしに逃げ場になってくれると云う。震える位、優しい声で。


京ちゃんに対しての言いようのない気持ちは、伝えてこの心地良い関係が揺らぐのが嫌で仕方ないのに。

僚はあたしが距離を置いても、いつの間にか隣にいる。形に捕らわれない。無意識に近付く感情が怖い。



不安定な感情のベクトル。


それなら、



明日京ちゃんに会おう。大人だと割り切る前に。あたしの言葉で。