「俺と一緒にいるのは嫌か?」 暗闇に溶け込む低い声は、あまりにも真摯で戸惑う。 「嫌、なわけじゃなくて」 もう、何ていえば、会話のやり取りが全く掴めない。 「なら良い。利用して構わない」 なにを、 もう、優しくない、なんて嘘つきだ。 「辛い時に一番初めに俺を思い出せ」 こんなに優しいじゃないか。