いや、もう、ちょっと待って、

「…?安心しろ。寝込み襲うような不本意な事はしてない」

慌てるあたしに馬鹿真面目に単調な声を吐く僚。

「いや、そうでなく、あたし何でここに。うわ、なんかごめ」

心臓がバクバクと悲鳴を上げる。距離が近すぎるってば。

「急に倒れるのはよくある事か?とりあえず応急処置だけだ、休みなさい。明日は病院に行った方がいい。」

人間ドッグに入れ、とこの体制で飄々と言う僚。

あたし、倒れた?


クラリと視界が揺れたのは覚えてる。貧血の時のような、立ち眩みのような、だけど、実際倒れたのは初めてだからなんか信じられない。