* * * 「吉沢、これ校正頼むな」 木元さんが疲れたように首を掻く。伸ばしっぱなしの無精髭が恐ろしく似合う男っぷりに笑える。 「お、流石、余裕だな。その気持ち悪い笑顔。」 二ッと笑って、木元さんはまた筋肉質な熊並の体格をドシドシとさせて去っていく。 ああ、目が痛い。首も痛い。腰にもキてる。なんて、もう言い出したらキリない。軽く伸びをして木元さんに渡された束をA4用紙の山に積み重ねた。