「いいよ、もうここで吐きな」


流石に公共の場だから道路はまずいし、どうしよかな。うん。あたしはとりあえず麻由を抱き締めて、シャツを広げる。


「ここ?ど…こ?う゛ー」


ピシャっという嗚咽と一緒に麻由は勢いよくあたしのシャツの上に吐いた後、また苦しそうにうずくまった。



「大丈夫?まだ吐きたい?もうすぐ来るから、頑張れ」


何を、と聞かれたらあたしも答えられないかな。


「ってか、ごめっ、ひじり服、」


「いいよ。服くらい。口みせて」


ハンカチ、持ってたかな。探ったポケットの中には駅前で配られてたティッシュ。良かった、サンクス名も知らないお兄さん。


あたしは麻由の口元をサッと拭くと、残りを麻由に手渡した。


「タダだからあげる」


ニッと笑ったあたしを麻由は何故か情けない表情で見上げた。


汚れちゃったから、麻由にゲェが付くとまずいし、あたしはとりあえず麻由を地べたに座らせる。なんか、若いな。典型的な酔っ払いだ、これ。ちょっと笑える。酔ったかな。