「聖、さ、あたしに何か隠し事してない?」
麻由がぼんやりした目線をさまよわせる。指先は行き場が無いようで長い髪をクルクルさせていた。
「隠し事?隠し事ばっかだよ、あたしは」
麻由が、何を指してそんな事言ったのか分からないけど。
ずるいかな、こんな逃げ方は。
「変わらないね、聖は」
麻由は気を悪くした様子ではなくて、手のひらで火照った頬を冷まし始める。
「しっかりしてるし、流されたりしないんだろうな。あたしみたいに駄目じゃないもん。憧れちゃう」
その言葉にあたしは眉を潜める。
だって、あたし、そんな人じゃないよ。

