* * *

「吉沢さん、原稿出来ましたか?」

ツトムが無邪気な笑顔で挨拶よりも先にそう口にする。


「出来ました」


トンっと書類の重なったクリアファイルを取り出してツトムにパス。

「おー、仕事が早いっすね」

クリクリした丸っころい瞳を更に円型にしてツトムはニヒッと笑った。

「今週で、吉沢さんとのコンビも終わりかー、寂しいすか?あー寂しいかー、分かります。うん。という事で親睦会しましょう。グイッと体にビールでも流し込んで」


息継ぎもせずツトムは淀みない流れでたまに訳の分からない自己解釈を入れながら、最終的にグッと親指を立てた。