あたしは、もう、ただ手を引かれて、ネオン街を黙って歩く。

ゆっくりと、京ちゃんのペース。その内京ちゃんはタバコを取り出して火をつける。


後ろは振り返らなかった。振り返っちゃいけないような気がしたから。


「ね、どこ行くの?」


アルコールなんてもう殆ど残ってないんじゃないか。冷静になった頭が、また飽和したくてコップ一杯のうんとキツいアルコールを飲みたい、なんて思ってる。それ位、いっぱいいっぱいだ。



「んー、このまま歩いて一番初めに見えたラブホにでも入ろっかー」


タバコの煙が鼻をくすぐった。