僚とマスターの間にどんなやり取りがあったんだろ。気になるけど、聞かない。いや、聞けないのかな。マスターは多分複雑な顔をしてる筈のあたしを見てまたクスクスと低く笑った。


「何?眉間にシワ寄せて~。」


その後に聞こえた間延びした口調。


「あ、京ちゃん」


本物だ。


「うん、本物だけど?」

「ん?口に出てた?」


「出してないつもり?重傷だねー」



ああ、もうなんだろ。


「本当、病気になりそう」

「変なひじり~」


この普通過ぎる空気が落ち着く。


京ちゃんの空気はやっぱり好きだな、なんて。