その日、あたしは京ちゃんと一夜を過ごした。

いやいや、一線を越えたんじゃない。ただ、一緒にいただけ。


正直、京ちゃんがあんな寂しそうな表情してなければ、あたしは関わらなかったかもしれないし、京ちゃんにしても、あたしがあんな事を言わなければ、ただ体を重ねるだけのその場しのぎの関係で終わったかもしれない。


ただ、京ちゃんは、それからもう麻由の事には触れなくて、あたしももう口には出さなかった。


誰かの温度が欲しい時は、誰にでもきっとあるから。