意味、分からない。

確かに酔った頭でもそう思ったと思う。今でも時々京ちゃんは意味分からないし。

分かりにくい、読みにくい。多分、京ちゃんはそんな人種だ。感情が顔に出やすいあたしには理解できっこない。


なのに、



「って、ちょっ、麻由はいいの?」


掴まれた腕は解くというより、それすらも忘れていてあたしは京ちゃんの背中に声を掛けた。


それまでいくら話しかけても止まらなかった足がピタリと止まる。


「っぶ」


おかげで京ちゃんの背中に鼻をぶつけてとりあえず痛かった。


「…なんで?」


「え?なにが?あたしが聞きたい位の疑問文だよ、それ」



「なんでそこで『麻由』が出てくんのー?」



京ちゃんの猫目の綺麗なアーチを描く瞳が不機嫌にあたしを見つめる。