扉の前で持たれかかるように立っていた京ちゃん。緩やかにカーブがかかった茶色の髪が街灯に柔らかく照らされていた。
「帰る、つもり」
答えたあたしに、相変わらず京ちゃんは興味無さそうで、そうまるで返事なんかどうでも良かった感じで、
「じゃ、俺もあんたと帰る」
そう言ってタバコを消した。
「っは?なんで?」
「いーでしょ。別に。あんた面白そーだし。それにタイプだからー」
飄々と言った京ちゃん。独特の口調は嫌みはないけど絶対嘘と分かる言葉。
「どんな基準よ、それ。」
「さあ?知らない。」
「知らないって」
「こんな雰囲気嫌い。帰ろー」
あたしの手を引いて京ちゃんはスタスタと大通りに向かった。

