「笑うな」 「いや、だって」 「おかしな事は言ってない。とにかく敬語はやめなさい」 「もう、教師みたい」 その口調、変わらないから。あたしだって出会った時の印象のままなんだ。 「教師ではない。上司でもない。ただの男として君の前にいる。壁は必要ない」 揺れもせず、見つめる瞳。淡い色のそれはやっぱり綺麗で、急にそんな事言うから嫌だ。 「なんで、そんなに惑わすんですか。もう、頭爆発する」 見つめられたら、見つめ返すか、逸らすしかないなんて単純な事、あたしは今、出来ているのか。