っていうより、


「決めてないって、困りますよ」


「どうして?」


「帰り、道に迷います」

いや、そんな話じゃないかも。


「心配ない。一度通った道を忘れる程馬鹿じゃない」


うん、何となくそんな人だって思うけど、


「そうじゃなくて、なんで」


聞きたい事はそんなんじゃなくて、



「なんで、」


ああ、もうこの先が言葉に出ないとか、不甲斐なさすぎ。



だけど、僚は相変わらず、整った顔をあたしに向けもせず、だけど、僅かに目を細めて




「何度も言わせるな。一緒にいたい、それだけだ」





だから、殺される。