「う、腕、掴んでますよ」 「こうしないと逃げるだろ」 「逃げるとか、以前の問題っ」 って、 「うるさい」 淡い瞳が射抜く様にあたしを見つめて、冷たい位整った顔立ちが、また至近距離に近づく。 「うるさいって」 なんなのよ。 掴まれた腕は、拒めばはずれてしまう位の強さじゃなくて、てゆうかそれより、胸が苦しくて、嫌だ。 「一緒にいたい。」 僚はあたしを見つめて、ごまかしもせず、そういうからあたしはただ口を閉ざした。