ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「葉瑠ー!」


突然大声で名前を呼ばれ、前方に顔を向けると、綾が駆け寄って来るのが見えた。 それにすかさず反応したのは、さっきまで挙動不審な行動をとっていた柚樹だった。
よっぽど苦手なのか、綾の姿を見つけた柚樹は、私より少しだけ高い身長を私の背に隠した。


『どうしたの?』


「葉瑠の姿見えたから、走ってきた! どこいくの?」


少し息切れ気味の綾は、私の後ろを気にしながら言った。


『お昼食べに。綾は?』


「私は、まだ決まってない。水樹も見当たらないし、保健室で浦田っちと食べようかな~?」


柚樹の手前、一緒に食べよう?とは言い出せず、『水樹くんに会ったら、伝えとくね!?』と答えるのが精一杯だった。


「ありがとう」


綾と別れると、隠れていた柚樹が息を吐きながら出てきた。


『綾が苦手なんだ』


「少しだけ……」


『少し?』


申し訳なさげに見てくる柚樹を、からかいたくなって止めた。