・・・・で、・・・・うんこが・・・・どうしたって?

俺はゆっくりした口調で

問いただし始める。



「カントク・・・・。俺・・・・昨日から・・・・」



うん、昨日から?



「なんか初めての試合でバリ緊張して・・・・」



うん、緊張して?



「晩飯食ったあとから・・・ずっと・・・下痢して・・・」



うん、下痢して?



「ぜんぜん止まらへんくなって・・・・」



うん、下痢が今も続いてて・・・どうした?



「さっき急いでここに入ってんけど・・・・」



入ったけど・・・?



「その・・・パンツが・・・うんこ・・・もれてもうて・・・」



そこまで聞いてやっと理解できた



要は

初試合でスッゴク緊張していた二宮は

昨夜からずっと神経性のゲリになってて

今朝もそれは続いてて

さっきトイレに飛び込んだけど

間に合わなくってパンツを

うんこで汚してしまって

出るに出られなくなった 
ということなわけやな



わかった。二宮。ちょっと俺、近くのコンビニでパンツ買うて来るから。ここで待ってろ。中島、それまでここで一緒にいてやれ。


「はい。」

と中島がすぐに返答する。



ったく・・・小学生かっちゅうねん!



俺は独り言を言いながら

体育館を出て

この高校の正門を出て

近くのコンビニに

パンツを求めて走った。



なんで日曜の朝に男のパンツ求めてダッシュかましてんねん、俺!



ほんま、あいつらは世話がやける

っていうか・・・ほんまに高校生かよ!!!



こんなことなってもうたんも

元はといえば

あの日のおばあちゃんの電話からやったなあ。



俺は半年ほど前を思いだしつつ

コンビニに向かって

全力疾走を続けた。