苦し紛れにそう言った私。
しかも吃りずぎだし!
こんなの絶対嘘だってばれる!!
と思って、目をきつく閉じた。
しかし…
『坂口言うならそうなんだろうな』
…へ?
いいの、それで…?
『じゃあ早く鍵を渡して帰りなさい』
「えっ?あぁっはい」
自分の家の鍵を燕君に渡す。
「はい…」
『ありがと、え?何?』
私は何も言ってないのに聞き返す燕君。
『帰り方が分からないって?』
んなこと言ってませんけど!
『先生、すみません…姉を送ってきていいですか?』
もうわけが分かんなくて、先生と燕君のやりとりを見てるだけ。
『あぁ、行ってきなさい』
って駄目でしょ!
燕君信用されすぎ。どんな学校生活おくってるんだか。
『すぐ戻ります』
燕君はそう言って私を教室から連れ出した。



