え?真剣に…?
でもそう思ったのは本当。
でもそんなこと言いづらいし、そんなに見つめられたら言葉が出てこない。
「えっ、あ…」
『もう、いいです』
私がそんな調子だからなのか、燕君はスタスタと歩きだして私の横を通り過ぎた。
「ちょっ、待っ……」
私が呼び止めようとすると、燕君はピタリと立ち止まり、ゆっくりと振り返った。
『――すごく…すごく残念です』
それだけ言うと、一度も振り返る事なく家の中へ消えていってしまった。
『佐奈っ?佐奈!?』
「へ!?あ…ごめん…」
ズキン……
夏樹ちゃんに呼ばれても気付かなかったくらい周りが見えてなかったらしい。
ズキン、ズキン
ん?
胸に違和感を覚えて手をあてる。
なんかギューッてなってギリギリ握り潰されてるみたい。
ズキンッズキンッズキンッ
「なんか…痛い…」
『佐奈…』
「痛いよぉ…夏樹ちゃん」



