お隣さんの隣



沈黙。




なんで答えてくれないのよ〜!



急すぎたのか、質問の意味が分からないのか、それとも口にしずらい答えなのか。

燕君は暫く静止していた。








『急に何を言いだすのかと思ったら……




理由、聞きたいんですか?』




そしてやんわりと笑ったと思えば、程よい間を開けて今度は色っぽく問いかけてきた。





「き、聞きたいから質問したんでしょっ」


言葉は強気なくせに、内心は燕君の色っぽさにくらくらしてる。








『僕はかまいませんが……、知りませんよ?』







全く意味が分からない。
燕君に支障はないけど私にはあるの?私何かしたっけ?





「それでもいいから教えて!」


身を乗り出す私は尻尾を懸命に振る犬。その犬を自分が満足できるまで焦らし続ける燕君は犬が忠誠を誓うご主人様。


私達はきっとそんな図。








『…本当に知りませんからね』


犬の忠誠ぶりに満足したご主人様は焦らすのをやめ、いよいよ餌をくれるようです。