お隣さんの隣




ガラガラ!



『佐奈』


「燕君!!」



息をきらす私に、落ち着いている燕君。



「こんなとこいてていいの?」


新入生はホームルームがあるはず。



『あぁ…駄目でしょうね』

「じゃあ!」

『ま、後々取り戻すので大丈夫です』



……燕君が大丈夫だっていったら大丈夫なんだろな。



『……佐奈が聞きたいのはそんなことですか?』


あ、そうだ。



「なんで同じ学校なの!?」


『ぷっ』


「なんで笑うのっ?」


『いや、なんか単純だなって』


「もう…っ、笑ってもいいから答えてよ!」



私には予想外だらけなんだから。




『分かりませんか?』


「いや、質問してるし……」


『簡単ですよ。



佐奈と同じ学校に通いたかったんです』











そっか。



自惚れだけど燕君がこの学校に来る理由………それしか思いつかないよね。




でも、それだけの理由で高校決めるなんて信じられなかったの。



「燕君の将来が……」


『佐奈に心配されるとは思わなかったですけど、問題ありません。進学コースですから』



そういえば進学コースはレベル高かったっけ。








じゃあ……本当に本当に、燕君と同じ学校なんだ。




実感したら急に嬉しさがドバーッて沸き上がってきて。





『佐奈っ?』


抱きつかずにはいられなかった。